SAFE MAGAZINE
【10月がピーク】小1の歩行中事故は4月の2.2倍——秋の夕方に効く備え
安全対策
2026.09.04

【10月がピーク】小1の歩行中事故は4月の2.2倍——秋の夕方に効く備え

内閣府『令和7年交通安全白書』によると、小学1年生の歩行中の死者・重傷者数は10月が61人で最も多く、入学直後の4月(27人)の約2.2倍です(令和2〜6年の5年間合計)。リスクが最も高まるのは春ではなく秋——日没が早まり、下校時間が薄暮時間帯に重なるからです。9月21日からの秋の全国交通安全運動に合わせ、今日からできる3つの備えをまとめました。

薄暮時間帯反射材秋の全国交通安全運動下校時間交通安全白書対象:新1年生対象:低学年対象:高学年

この記事のポイント

  • 1令和2〜6年の5年間合計で、小学1年生の歩行中死者・重傷者数は10月が61人で最多。4月の27人の約2.2倍にあたる(内閣府『令和7年交通安全白書』)
  • 2小学生の歩行中事故は14〜15時台が最多、次いで16〜17時台。10月以降はこの下校時間帯がそのまま日没と重なっていく
  • 3反射材をランドセル・靴・傘の3か所につける。夜間の発見距離は明るい服の約38mに対し、反射材着用で約57m以上に伸びる

なぜ今この話をするのか

今日は2026年9月4日。多くの学校で2学期が始まったところです。そして9月21日(月)から30日(水)まで、令和8年 秋の全国交通安全運動が実施されます。全国重点の1番目は「歩行者の安全確保と反射材用品の着用促進」、2番目は「夕暮れ時の早めのライト点灯と飲酒運転や『ながらスマホ』の根絶」です[公式発表・群馬県]。9月30日は「交通事故死ゼロを目指す日」に定められています。

国が秋にこの2つを重点に置くのには、はっきりした理由があります。

事実1:小学1年生の歩行中事故は「10月」が最多[公的統計]

内閣府『令和7年交通安全白書』は、令和2年から令和6年までの5年間について、小学生の歩行中死者・重傷者数を学年別・月別に分析しています。

  • 学年別:小学1年生446人、小学2年生453人。学年が上がるにつれて減少
  • 小学1年生の月別:4月は27人、6月は40人、そして10月は61人で最多
  • 全体の月別傾向:5月・6月と、10月・12月に多い

出典: 内閣府『令和7年交通安全白書』第1節「状態別にみた小学生の交通事故の状況」[公的統計] データ時点: 令和2年〜令和6年(2020〜2024年)の5年間合計

わが家への意味: SAFE MAGAZINEでは以前、新1年生の事故は5月に第1のピークを迎えることをお伝えしました。今回のデータは、それが年間で唯一の山ではないことを示しています。春の山を越えた家庭こそ、秋にもう一度気を引き締める必要がある、というのが数字の読み方です。

事実2:事故が多い時間帯は、そのまま下校時間帯[公的統計]

同じ白書によると、小学生の歩行中事故は14時から15時台が最も多く、次いで16時から17時台が多くなっています。また通行目的別では、下校中が484人(25.8%)、登校中と下校中を合わせると716人(38.2%)を占めます。

出典: 内閣府『令和7年交通安全白書』第1節[公的統計] データ時点: 令和2年〜令和6年の5年間合計

10月・11月は、この16〜17時台がちょうど日没と重なっていきます。つまり秋は、「事故が最も多い時間帯」と「最も見えにくい時間帯」が重なる季節です。

事実3:薄暮時間帯の死亡事故は「横断中」に集中している[公的統計]

警察庁は、日の入り時刻の前後1時間を「薄暮時間帯」と定義し、令和3年から令和7年の5年間の交通死亡事故を分析しています。

  • 日の入りと重なる17時台から19時台に多く発生している
  • 事故類型は自動車と歩行者の衝突が最多で、そのうち横断中が約8割
  • 横断中の事故は、横断歩道以外での発生が約7割を占める

出典: 警察庁「薄暮時間帯における交通事故防止」[公的統計] データ時点: 令和3年〜令和7年の5年間

わが家への意味: 薄暮時間帯の危険は「暗いから」だけではありません。「横断歩道以外を渡ること」と組み合わさったときに最も危険になります。秋の夕方、寄り道や近道で横断歩道のない場所を渡る——これが最も避けたい行動です。

事実4:反射材があると、発見される距離が2倍以上になる[公式発表]

夜間、時速60kmで走る車から歩行者が見える距離は、服装によって大きく変わります。

服装発見される距離
黒っぽい服約26m
明るい服約38m
反射材を着用約57m以上

一方、乾いた路面を時速60kmで走行している車の停止距離は約44mとされています。つまり明るい服(約38m)だけでは、発見されてから止まりきれない可能性があるということです。

出典: 山梨県警察「反射材を利用しましょう」[公式発表]/原典: 科学警察研究所交通部(平成18年)の研究

なお、9月1日からは生活道路の法定速度が30km/hに引き下げられました。速度が下がれば停止距離も短くなりますが、標識のない生活道路が対象で、幹線道路は従来どおりです。反射材の必要性が減ったわけではありません。

今すぐできること

1. 反射材を「3か所」につける(今週末・所要10分)

反射材は1か所だけだと、車から見える角度が限られます。動く場所につけるほど目に留まりやすくなります。

  • ランドセルの側面と背面:カバーやキーホルダー型。学校指定のカバーに反射材がついているか確認する
  • 靴・靴ひも:足は歩くたびに動くため、ドライバーの目に留まりやすい位置
  • 傘・上着の袖口:雨の日は視界がさらに悪化します。透明な傘+反射材が効果的

チェックリストとして印刷・保存しておき、学期はじめに毎回確認するのがおすすめです。

2. 「16時ルール」を家庭で決める

10月以降、日没は日に日に早まります。「16時を過ぎたら寄り道せずまっすぐ帰る」など、時刻で区切ったシンプルなルールにすると、子どもが自分で判断できます。曖昧な「暗くなる前に」より守られやすくなります。

3. 通学路の「横断歩道以外を渡りたくなる場所」を親子で探す

薄暮の死亡事故は約7割が横断歩道以外で起きています。子どもが近道したくなる場所は、たいてい決まっています。夕方の時間帯に一緒に歩いて、「ここは遠回りでも横断歩道まで行く」と場所を特定して約束しておきましょう。

4. 今週、子どもに伝えたい一言

「これから、帰る時間がどんどん暗くなるよ。暗いと、車から君は思っているより見えていないんだ。だからピカッと光るものをつけて、渡るのは横断歩道だけにしよう。」

あなたの自治体で確認する方法

  • 確認先の種類: 市区町村の交通安全担当課、都道府県警察、地域の交通安全協会
  • 検索キーワード: 「(市区町村名) 反射材 配布」「(都道府県名) 秋の全国交通安全運動 令和8年」
  • 確認したいこと:
    • 秋の交通安全運動期間中に反射材の無料配布を行う自治体があります。配布場所・期間を確認しましょう
    • 学校を通じて反射材が配られる地域もあります。担任の先生に「今年度の配布予定」を尋ねてみてください
    • 通学路の街灯について要望を出したい場合は、市区町村の道路管理担当課が窓口になります

PathGuardianでできること

夕方の通学路を親子で歩きながら、「街灯が少なくて暗い区間」「横断歩道がないのに渡りたくなる場所」をPathGuardianの地図に危険箇所として記録してみてください。秋の1回の記録が、来年度の通学路点検で学校や自治体に伝える具体的な材料になります。

出典

  • 内閣府『令和7年交通安全白書』第1節「状態別にみた小学生の交通事故の状況」[公的統計]/データ時点: 令和2年〜令和6年(2020〜2024年)の5年間合計
  • 警察庁「薄暮時間帯における交通事故防止」[公的統計]/データ時点: 令和3年〜令和7年の5年間
  • 山梨県警察「反射材を利用しましょう」[公式発表]/原典: 科学警察研究所交通部(平成18年)
  • 群馬県「令和8年秋の全国交通安全運動について」[公式発表]/実施期間: 2026年9月21日(月)〜9月30日(水)

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次回予告

次回は、9月21日〜30日の秋の全国交通安全運動の期間中に、全国重点の3番目「自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルール」を取り上げる予定です。4月に始まった自転車の青切符制度が、秋の運動期間でどう扱われるのかを追います。

服装別の夜間視認距離比較(約26m/約38m/約57m以上)
服装別の夜間視認距離比較(約26m/約38m/約57m以上)
反射材をつける3か所(ランドセル/靴/傘・袖口)
反射材をつける3か所(ランドセル/靴/傘・袖口)

出典・参考資料

  • • 内閣府『令和7年交通安全白書』第1節「状態別にみた小学生の交通事故の状況」[公的統計](データ時点: 令和2年〜令和6年の5年間合計)
  • • 警察庁「薄暮時間帯における交通事故防止」[公的統計](データ時点: 令和3年〜令和7年の5年間)
  • • 山梨県警察「反射材を利用しましょう」[公式発表](原典: 科学警察研究所交通部・平成18年)
  • • 群馬県「令和8年秋の全国交通安全運動について」[公式発表](実施期間: 2026年9月21日〜9月30日)