深刻化する見守りボランティアの担い手不足
全国の小学校通学路で活動する見守りボランティア(スクールガード)は、地域の子どもたちの安全を支える大切な存在です。しかし今、深刻な問題に直面しています。
見守り活動の現状
- 一部地域では参加者の平均年齢が80歳を超えている
- 日々の活動参加者が数年前の半分以下になった地域も
- 高齢化と体力的な問題から引退する人が増加
- 新たな担い手がなかなか見つからない
従来の見守り活動は「毎朝・毎夕、決まった場所に立つ」というスタイルが主流でした。しかし、共働き世帯の増加や働き方の多様化により、このスタイルでの参加が難しい人が増えています。
「ながら見守り」という新しい選択肢
文部科学省は「やってみよう!登下校見守り活動ハンドブック」の中で、従来型の見守りだけでなく、「ながら見守り」という新しい参加形態を推奨しています。
「ながら見守り」とは
日常生活の行動をしながら、自然な形で子どもたちの安全を見守る活動のことです。
ながら見守りの例
- 朝の散歩のついでに通学路を歩く
- 犬の散歩で登下校の時間帯に外に出る
- ジョギングのコースに通学路を組み込む
- 買い物帰りの時間を登下校時間に合わせる
- 庭の水やりや掃除を登校時間帯に行う
- 通勤の徒歩部分で子どもたちを見かけたら挨拶する
ながら見守りの効果
「そんな気軽な活動で効果があるの?」と思われるかもしれません。しかし、ながら見守りには確かな効果があります。
1. 地域に「見守る目」を増やす 特別な装備やスキルは不要。普段着のまま、日常の延長で参加できるので、参加者が増えやすく、結果として地域全体の「見守る目」が増えます。
2. 不審者への抑止効果 不審者による声かけ事案のほとんどは、子どもがひとりでいる時に発生しています。大人の目が増えることで、不審者が近づきにくい環境が生まれます。
3. ドライバーへの注意喚起 通学路を歩く大人がいることで、ドライバーは「この辺りは子どもがいるかもしれない」と注意を払うようになります。
4. 子どもたちの安心感 「知っている大人がいる」という安心感は、子どもたちの精神的な支えになります。
今日から始められる「ながら見守り」の始め方
ステップ1: まずは時間を知る お住まいの地域の小学校の登下校時間を確認しましょう。一般的には以下の時間帯です。
- 登校: 午前7時30分〜8時15分頃
- 下校: 午後2時30分〜4時30分頃(学年・曜日により異なる)
ステップ2: 日常の行動を見直す 「登下校の時間帯に外出する用事」を探してみましょう。
- 朝刊を取りに行くついでに
- ゴミ出しのついでに
- 花の水やりのついでに
ステップ3: 挨拶から始める 特別なことをする必要はありません。子どもたちに「おはよう」「いってらっしゃい」「おかえり」と声をかけるだけで十分です。
ステップ4: 続けやすいペースで 毎日でなくても構いません。週に1〜2回でも、月に数回でも、無理のないペースで続けることが大切です。
「子ども110番の家」との連携
文部科学省の「登下校防犯プラン」では、教育委員会・学校と「子ども110番の家」との連携強化も推進されています。
「子ども110番の家」とは、子どもが危険を感じた時に駆け込める場所として登録された民家や店舗のこと。ながら見守り活動中に「子ども110番の家」の場所を確認しておくと、いざという時に子どもを誘導できます。
子どもに教えたい防犯の合言葉
見守り活動と合わせて、子どもたち自身が身を守る力をつけることも大切です。「はちみつじまん」という防犯合言葉を覚えておきましょう。
- は:話しかけてくる人に注意
- ち:近づいてくる人に注意
- み:見つめてくる人に注意
- つ:ついてくる人に注意
- じ:車に乗せようとする人に注意
- ま:待っている人に注意
- ん:?と思ったらすぐ逃げる

