何が公表されたか
警察庁が、幅員5.5メートル未満のいわゆる「生活道路」で2021年から2025年までの5年間に起きた交通事故を集計し、2026年9月に公表しました。複数の報道によると、この5年間の死者・重傷者は3万4262人。このうち小学生と65歳以上の高齢者が計1万4945人を占め、全体の4割を超えています。
集計で示された数字(収集範囲:警察庁集計、2021〜2025年の5年間、幅員5.5メートル未満の道路)
- 死者・重傷者の合計:3万4262人
- 65歳以上の高齢者:1万3728人(うち死者1433人)
- 小学生:1217人(うち死者14人)
- 小学生の半数近く、高齢者の約3割は歩行中に事故に遭っていた
- 生活道路での死者は5年間で2149人。交通事故死者全体のおよそ6人に1人にあたる
警察庁は、生活道路での歩行者と車の事故について、車の速度が時速30キロを超えると歩行者の致死率が大きく上がると説明しています。
9月1日に法定速度が30キロへ
2026年9月1日、改正道路交通法施行令が施行され、生活道路における自動車の法定最高速度が時速60キロから時速30キロに引き下げられました。
対象になる道路
- 中央線や車両通行帯、中央分離帯などが設けられていない一般道路
- 標識や標示で最高速度が指定されている道路は、その指定速度が優先される(時速40キロなど、30キロを上回る指定もある)
- 高速道路・自動車専用道路は対象外
中央線のない道路は全国の一般道の約7割を占めるとされ、通学路の多くもこの条件に当てはまります。標識が立っていなくても規制がかかる点が、従来のエリア指定型の「ゾーン30」との大きな違いです。
そなえの一言
通学路のうち「中央線がない道路」がどこかを、子どもと歩いて1か所だけ確かめておきましょう。
保護者・地域にできること
- 中央線のない道を見つける:通学路で白い中央線が引かれていない区間を、子どもと一緒に1か所探してみる。速度標識も標示も出ていなければ、そこが時速30キロの対象になる道です(標識で40キロなどが指定されていれば、そちらが優先されます)
- 「道の端」を歩く場所を決める:中央線のない道は歩道がないことも多い。どちら側を歩くか、どこで待つかを親子で決めておく
- 歩行中がいちばん多い:小学生の死傷の半数近くは歩行中。自転車のヘルメットと同じくらい、歩き方の確認に時間を使う価値があります
- ドライバーとしても:送迎で通学路を運転する保護者自身が、中央線のない道では30キロを意識する
数字は厳しいものですが、速度が下がるほど歩行者が助かる確率は上がります。9月1日のルール変更は、通学路の条件そのものを子ども側に少し寄せる変更でもあります。
出典
- 日本経済新聞「生活道路で3万4千人死傷 小学生・高齢者4割超 警察庁5年間集計」
- 共同通信「生活道路で3万4千人が死傷 5年集計、小学生+高齢者4割超」
- テレビ朝日(ANN)「生活道路で過去5年間に3万4000人死傷 高齢者と小学生が4割超 警察庁」
- 毎日新聞「交通事故死者の6人に1人は生活道路で死亡 過去5年で2149人」(2026年9月9日)
- 警察庁「生活道路における自動車の法定速度が引き下げられます!!」