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ゾーン30プラス——国交省が小学校周辺のモデル地域65箇所を選定、面的安全対策が加速
施策・制度
2026.05.01

ゾーン30プラス——国交省が小学校周辺のモデル地域65箇所を選定、面的安全対策が加速

国土交通省は、小学校等周辺の面的な交通安全対策を推進するため全国65箇所をモデル地域に選定しました。「点」から「面」へ通学路安全対策の発想が転換し、ETC2.0プローブデータの活用と物理デバイスの導入が加速します。

ゾーン30プラス国土交通省面的対策ETC2.0ハンプ通学路

この記事のポイント

  • 1国土交通省が小学校周辺のモデル地域65箇所を選定し、面的な安全対策を推進
  • 2ETC2.0プローブデータで車両の実速度・交通量・ヒヤリハット箇所をデータ駆動で把握
  • 3ハンプ・狭さく・カラー舗装など物理デバイスで構造的に速度を抑制(91.2%対策完了済み)

「点」から「面」へ——通学路安全対策の発想転換

これまでの通学路安全対策は、「危険な交差点」「ガードレールがない場所」など、個別の箇所ごとに対策を講じる方法が中心でした。しかし、2021年6月の千葉県八街市での小学生5人死傷事故を受け、政府は通学路全体を一斉点検した結果、対策が必要な箇所として全国72,568箇所を抽出。個別対応では限界があることが明らかになりました。

国土交通省は、こうした課題を踏まえ、小学校周辺のエリア全体を「面」として安全対策を推進する取り組みを開始。今回その先進事例となる全国65箇所のモデル地域を選定しました。

モデル地域での3つの取り組み

1. データ駆動型の実態分析(ETC2.0プローブデータの活用)

ETC2.0は、自動車のETCに準拠した走行データを匿名で収集する仕組みです。このプローブデータを活用することで、以下のような実態を把握できます。

  • 通学路を実際に走行している車両の速度
  • 時間帯別の交通量
  • 急ブレーキ・急ハンドル等のヒヤリハット箇所
  • 通り抜け車両の走行ルート

これに事故データ・交通規制情報を重ね合わせることで、危険箇所を「数字で」可視化できるようになります。

2. 多機関連携による合同点検

機関主な役割
道路管理者(国・県・市)歩道整備、ガードレール設置、路面表示
警察速度規制、標識設置、取り締まり
学校・教育委員会児童の通学実態把握、安全指導
PTA・地域住民現場目線での危険情報提供、見守り

3. 「ゾーン30プラス」の導入

「ゾーン30プラス」は、従来の「ゾーン30」(区域内を30km/hに規制する制度)に、物理的な速度抑制デバイスを組み合わせた進化版です。

対策種別内容
速度規制最高速度30km/hのゾーン規制
ハンプ路面の盛り上がりによる速度抑制
狭さく(きょうさく)車道幅員を縮小し走行速度を抑制
カラー舗装通学路・横断歩道の視認性向上
路面表示「30」の大きな路面表示や注意喚起標示

これらのデバイスを組み合わせることで、ドライバーは規制標識を見るだけでなく、物理的に速度を出しにくい構造になります。

進捗状況——91.2%が対策完了

対策主体対象箇所対策完了完了率
全体72,568箇所66,203箇所91.2%
教育委員会・学校39,398箇所39,100箇所99.2%

教育委員会・学校が対応する「ソフト対策」はほぼ完了。残課題は道路管理者・警察対応分の約6,300箇所で、ハード整備が必要な箇所が中心です。

「ゾーン30プラス」と2026年9月の30km/h規制改正の関係

ゾーン30ゾーン30プラス2026年9月の法改正
速度規制区域指定の30km/h区域指定の30km/h全国の無標識生活道路
物理対策あり(任意)必須なし(規制のみ)
範囲申請区域のみモデル地域等全国一律

つまり、法改正で全国の生活道路が30km/h規制になっても、それを実効的に守らせる物理的な仕組みがゾーン30プラスという関係です。

保護者・地域に伝えたいこと

1. お住まいの地域がモデル地域か確認しよう

国土交通省や各自治体のホームページで、モデル地域に選定された地区が公表されています。

2. 物理デバイスは「ドライバーへの圧力」

ハンプや狭さくは、ドライバーが速度を出しにくくする「環境設計」です。

3. 子どもには引き続き「車は来る前提で行動」を

物理対策が進んでも、車が完全になくなるわけではありません。横断歩道では必ず止まる・見る・待つ、信号があっても左右確認、飛び出さない・走らないの基本を子どもに伝えましょう。

4. 危険箇所を見つけたら学校・市に報告

モデル地域では合同点検が継続的に実施されます。学校(PTA経由)や市の道路管理担当に積極的に情報提供することで、面的対策の精度向上に貢献できます。

出典・参考資料

  • 国土交通省 報道発表資料『通学路の交通安全対策を推進します—小学校等周辺の面的な交通安全対策を促進する「モデル地域」を65箇所選定』
  • 国土交通省 道路局『通学路等の交通安全対策』
  • 警察庁『ゾーン30、ゾーン30プラス』